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2018/05/29 12:43
栃木県日光市の「日光杉並木街道」の倒木を活用し、同県矢板市の工芸作家関
谷天真(せきや・てんしん)=さんが、ボールペンや万年筆を手作りしている。
杉並木は国の特別史跡と特別天然記念物に二重指定され、樹齢は約400年。
倒木の枝は大半がそのまま廃棄されていたが、関谷さんは「貴重な文化財を生かし、
杉並木のイメージ向上につなげたい」と意気込む。
木工ろくろの音が「ウィーン」と響き渡る庭先の工房。関谷さんは高速回転す
る木材の表面を刃物で削っていた。「枝を加工するところから手作りです」。大
胆な手つきで1ミリ単位の繊細な作業をこなす技が光る。
日光東照宮によると、1625年から20年以上の歳月をかけて植えられた杉
は老齢化が進み、倒木は多い年には数十本。幹は材木に利用するが、大量の枝は
処分される。
「面白い素材がある」と知り合いの伐採職人から教えられた関谷さん。空洞や
裂け目があるため、小片で制作できるボールペンを思いつき、7、8年ほど前か
ら制作を始めたという。樹齢が高いほど木目が細かいので柄が手になじみ、高級
感が出るため「贈答品に最適」と好評だ。
最も人気のあるボールペンは、日光市の道の駅にある「船村徹記念館」で販売。
万年筆や置き時計もあり、「東京スカイツリータウンのアンテナショップ」など
でも購入できる。
関谷さんは制作をきっかけに、街道周辺の美化活動に参加。「周辺住民にとっ
ては、落ち葉などで迷惑だと感じることも多い。商品を通じて杉並木の価値に目
を向けてほしい」と話している。
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