漆に新型コロナウイルスを減少させる効果を確認したと発表した蓑輪利一社長=8月23日、福井県庁

 漆の精製・販売の箕輪漆行(本社福井県越前市、蓑輪利一社長)は8月23日、漆に新型コロナウイルスを減少させる抗ウイルス効果があることを確認したと発表した。蓑輪社長は「漆の効果を周知し、多くの人に安全安心をお届けできれば」と話した。

 漆には抗菌、殺菌作用があるとの研究結果が報告されていることから、同社は、新型コロナウイルスに対する効果を調べようと日本繊維製品品質技術センター(本部東京)に試験を依頼した。5センチ四方のアクリル板に、同社の伝統的製法でつくる漆を塗布し、コロナウイルスを付着させて調べた結果、24時間で99%以上のウイルスを減少させる効果を確認したという。

 蓑輪社長によると「漆器は飲食店で使われる機会が減った上、デパートなどで催事を開くこともできず、コロナ以前と比べ売り上げが落ちている」という。今回の試験結果を近く、全国の漆器や仏壇仏具などの関係団体に連絡するとしている。